店主敬白
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Sun,21 August 2005

Bombon (El Perro)

大家さん、そして友人とそのパートナー氏、それぞれに勧められて見に行ってきました。
2004年のアルゼンチン(IMDbではアルゼンチン/スペイン)映画。

主人公はファンという50過ぎの朴訥とした男性。30年近く働いていたガソリンスタンドを首になり、就職活動も上手くいかず、居候している娘の家でも疎まれる日々。そんなある日、車が故障して困っていた若い女性を見つけ、自宅まで車を牽引しつつ送り届けて、車の修理も行う。そこそこ資産家らしい家の母親がお礼にとファンにくれたのは、最近先立った夫が残した犬。夫がフランス語で「Bombonの犬小屋(Le Chein de Bombon)」と書いていたのを犬の名前と勘違いして「Le Chein」と呼ぶファン。最初はお互いぎこちなかったが、やがて打ち解けあう。犬は置けないと娘の家は追い出されてしまうが、犬が幸運を引き寄せるかのように、銀行家に会い、ドッグ・ショーに出るよう進められ、犬の訓練士を紹介され、彼と共に犬を訓練し、やがて出たショーで3位に入賞。その後少々のドタバタを経て、一旦犬を訓練士に預けたファンだが...。

とっても気持ちがホンワカとする映画でした。この主人公のファン役のおじさんと犬のBombonが絶妙なコンビ。ファン役のオジサンは、公募で選ばれた素人で、名前は本名そのまま。チャルメラオジサンと芦屋小雁を足して2で割ったような風貌に、黙って優しい笑みを浮かべる顔を見ているだけで和みます。このオジサンの顔つきに親しみを覚えるのは、我々と祖先を同じにするモンゴロイドだからかな(パタゴニア地方には、モンゴロイドの一部が北米大陸を横断して渡りついたらしい)。Bombonとの出会い、次々と新しい世界に遭遇するたび、くりくりとした目を輝かすファン。悲しい時はその目をそっと節目がちに。でもその感情の起伏は決して大きすぎるわけではない。どこか笠智衆を思い出させるような、淡々とした雰囲気。だけど内に踏めたものはあって、それが最後のシーンで、Bombonと未来へと向かう彼の表情に表れている。
犬のBombon役は、本名はGregorio、名前も顔も厳しいけど、かもし出す雰囲気はどこかのんびりしたものが。ファンに黙って付き従う忠義さがけなげ。
映画全体としては、風の音がうるさいなぁという印象だったのけど、舞台となっているパタゴニアはいつもあのように強風が吹き荒れている地域らしい。それを音と風景で映画全体に表していたわけね。確かにその風景の中にいるような感じがしました。
もう一点映画の中で印象的だったのは、時折垣間見える貧富の差。以前見たチェ・ゲバラの映画(The Motorcycle Diaries)でも見えたけど、南米地方の貧富の差は激しそう。どうしてこういう社会構造なんだろう。

映画は90分ちょっとで、最後は(えっ、もう終わり)といった感じがしないでもなかったけど、終了後は心を和ませて帰ってきました。
政治が絡まない映画を見たのも久しぶりだったし(どういうチョイスだ、お前)。

[参考]
日本公開情報(配給会社Cine Quanonのページ、'Bombon (El Perro)'は下から4つ目)
Carlos Sorin監督インタビュー

[鑑賞メモ]
場所:London, Screen on the Green
日時:2005年8月16日(火)15:40-17:20
映画データ
-Director Carlos Sorin
-Producer Oscar Kramer, Jose Maria Morales, Marcelo Acosta(line producer)
-Screenplay Santiago Calori, Salvador Roselli, Carlos Sorin
-Cinematography Hugo Colace
-Original music Nicolas Sorin
-Cast
Juan Villegas Juan (Coco) Villegas
Walter Donado Walter Donado
Rosa Valsecci Susana
Gregorio Bombon
(参考)International Movie Database
posted by M at 05:41 | Comment(0) | TrackBack(0) | 映画
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